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イノセンスの終着駅へ。(1)
Innocenceという言葉は“無邪気”というようにいいように受けとめられるかも知れないが、一方で無知蒙昧で善悪の判断さえつかぬいってみれば“獣”に近い可能性も包含している。私は、フィリピンの人々の魅力をこのイノセンスという表現で表したいと思う。プエルトガレラに落ち着くまでパラワン島、ビサヤ諸島、ルソン島といろいろ旅して多様な民族に会って、その思いはますます深くなった。

その結果プエルトガレラを選んだのはアンチマテリアリズム"ECOH!"のコンセプトをやるのにいちばんよかったからで、日本からフィリピンにもっと人を呼び込むのに総合的に最高と思われたからだ。交通の便や電気がないのを厭わなければ、実はいいところはプエルトガレラの他にもたくさんある。私はこれまでの旅を何回かに分けて振り返り、いままでの出会いを確かめながら、どういう風にプエルトガレラに行き着いたかを明らかにしたいと思う。それをご覧いただいた皆さんが、少しでも関心を持っていただければ幸いである。

フィリピンというだけで何かと誤解されることが多い。
―「どうやったら、これだけ胡散臭い連中を集められるんですかねぇ。まったくここは日本人の“吹き溜まり”ですよ」日本のフィリピン特派員と話すと、決まってこういう話題になる。それくらい日本のメディアのマニラ支局には、日本の社会ではまともに相手にされないような日本人が入れかわり立ちかわり現れる。法外な儲け話に乗せられて、日本からの持参金をすっかり巻き上げられた者。在留邦人のあいだを回っては、寸借詐欺を繰り返す者。フィリピーナのヒモになっている男もいれば、日本でなら「禁治産者」の烙印を押されるに違いない人物もいる。私にしても、日本にいたら一生かかってもお目に掛かれないほどの数のヤクザを、マニラで見てきた。(野村進著「アジア定住」講談社+α文庫〈1996年原著〉より)

フィリピンにいる日本人にしてこれだから、いわんやフィリピン人をや、というわけである。残念ながらフィリピンに住む日本人は何らかの事情があって日本を逃げてきたひとが多いのは事実だろう。しかし、それはひと昔前のバンクーバーやニューヨークも同じであって、海外居住が一般化しつつある今は状況が変わりつつある。清濁を合わせ飲んできたフィリピーナ、フィリピーノだから当然彼らにも「悪」の側面はある。だが、憎めない。私は、宝物だと思えるフィリピンの子供たちの笑顔を撮るとき、いつも「聖は邪なり、邪は聖なり」と自分にいい聞かせている。この続きはまた、、、

palaw’an girls
パラワン島原住民族のひとつ"Palaw'an"の少女の踊り(プエルトプリンセサにて)※クリックするとクリアな画像が現れます。
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【2007/03/09 16:35】 | フィリピンを一人旅して | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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