※以前にスキャンしたのでサイズが大きめです。クリックして拡大してご覧ください。なんで写真を撮るのかという問いは、なんで旅をするのかという問いとよく似ている。何かを探し求めて旅の後ものの見方が変わってしまうのと同じように、カメラを携えていると不思議とものの見方が変わる。深層心理でいつもどこか写真を意識しているからだし、カメラを持っていないと、ふと出くわした光景に(カメラ持ってくりゃよかったな)と、後悔することになる。現実に見える世界とファインダー越しに見る世界は明らかに異なっている。(液晶モニターに見える世界ではない。)いってみれば脳内の仮想空間と現実世界を行き来する相乗効果で、昔のキャラメルのコマーシャルではないが一粒で二度おいしい的な、ある時間をダブルに楽しむ効果があるのではないかと思う。だからこそカメラは旅に必須なのだと思う。たぶんファインダーを覗き写真を撮ることは人生の学習で、むしろきっと思い出は後からついてくるものだ。ひとはそれぞれのタイミングでシャッターボタンを押す。どんな衝動であれ、それはとうてい言葉では説明できぬ感情のはずだ。異境に住んでいるとますますこの“行間”は深まる。そういう目で昨今評価されている写真を見ていると、インパクトはあっても伝えられる内容が薄いものが多いような気がする。本当にいい写真て、強いとか弱いとか、そういうもんじゃないと思う。思わず見入ってしまうとか、いつまでも見ていてしまうとか、そういうものだと思う。それは理屈では割り切れぬ思いに、思いを馳せることができるからだし、ある意味ではいまは見る者の資質もすごく問われているのではないだろうか? こんなに写真メディアが衰退してしまった今日では、みんなに評価される写真がいいものであるわけがないと思うし、そのことはしっかり銘記しておいてよいと思う。
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