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地元でのエコビジネス推進の取り組み~Villa Malasinboより
いまマニラ郊外や地方都市で次々とデパートSM(シューマート)やモール街、サブディビジョンと呼ばれるニュータウン住宅街が建設されオープンされていく様はまるで日本の10年前を見るかのようで、まったくアメリカや日本の後を追っているように見える。江戸か明治時代のような古風な価値風土にこのアメリカ化グローバリゼーションは奇異に映ってしまう。実際、まだ使える商品を次々捨てて新しいモノを買っていた日本での暮らしを話すと、日本のゴミ捨場よろしく御用済みになったクルマや何やかやを後生大事に使っているフィリピンの人々は私がいかに日本で馬鹿馬鹿しいと感じていたかをわかってもらえる。しかし彼らはまだそういう物質的成熟を経験していない。目の前にニンジンをぶら下げられれば食いつきたくなってしまうのが人情というものだろう。

マテリアリズムが行き着いた先にあるのは、邱永漢氏もYahoo!セカンドライフで指摘しているようにアメリカが率先している実体経済とはかけ離れた株価操作という架空世界だ。日本のバブル経済が土地の値段は絶対下がらぬ前提に立ったのと同じく、United States of Americaという強大な国家は絶対破たんせぬ前提に立っているにすぎない。昨今のサブプライムローンの破たんで株価や為替相場が大きく動いたように、しかし幻想はいつか必ず現実に直面する。バブルはいつか弾けるのである。マネーゲームで稼いだ金は所詮あぶく銭にすぎず、やがては水泡に帰する運命にあるのである。私は、額に汗して得た成果やまじめに頑張った働きは、あぶく銭とは異質の本当のお金だと信じている。なにも日本のモノヅクリを擁護するのではない。世界中を日本のゴミ箱化している日本のメーカーは(買いたくもないのに新車販売に「残価設定型ローン」相次ぎ導入している自動車業界などは特に)もっとまじめにやってもらいたい。

閑話休題。マテリアリズムに感化されているか否かは、フィリピンにおいてはまだまだ地方によってそうとう差があるように思われる。田舎に行けば行くほどモノを欲しがらない。食っていくには困らないし、精神的に満たされているからだ。マニラがいちばんマテリアリスティックだとすると、ここプエルトガレラはちょうどド田舎との中間くらいではないか。マテリアリズムが進むとあぶく銭で儲けようとする輩が増えるわけだが、プエルトガレラでは困ったことに楽して儲けたいフィリピン人気質(というより熱帯全般の気質か?)に観光地、流れ込む外国人と外資という要因もあいまって、あぶく銭商売したがる人が多い。そういう意味では、ここはマテリアリズムが進んだからあぶく銭商売が盛んになるのでなく、あぶく銭商売が盛んになるからマテリアリズムが進むのだといえる。というのは、フィリピン諸民族は基本的に「心」の人たちだからだ。

フィリピンの「心」の文化を物質至上に向けるのも環境保護に向けるのも、携わる外国人次第だと思ったのは、プエルトガレラのVilla Malasinbo(ヴィラマラシンボ)を訪れたときだ。いちど戦に負けただけでころっと魂を米国に売り渡してしまった日本人と違い、300年もスペインに統治されアメリカ、日本に支配されても魂を守り続けたフィリピン人だからちょっとやそっとのことでは動かない。しかしまた、決して自ら率先して動こうとしないのもフィリピン人だ。なかには奇特な外国人もいるもので、自らの資材を投じてマテリアリズムに替わるべきエコイズムの音頭をとっているのがD'Aboville Foundation & Demo Farmだった。

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D'Aboville氏はフランス人で、Villa Malasinboの研究施設を通じて美しいプエルトガレラにふさわしい地場産業育成を図っているのだった。ちなみに富豪であるD'Aboville氏は、2005年にフランスベースでユネスコをサポートする"Most Beautiful Bays in the World Club"にプエルトガレラ湾が「世界で最も美しい湾のひとつ」と指定されるため巨額を注ぎ込んだ。お金持ちはこうでなくちゃいけない。西欧では(というより少なくともキリスト教圏では)貧富に関わらずこういう慈善は当たり前のこととされるのだが、皮肉屋の東洋人としては氏がこのアクティビティをCRUSADE=十字軍と表現しているところは気になるところだ。

人間様がいちばん偉く、人間様に都合いいように事実を捩じ曲げようとするいわば自分中心主義のキリスト教に、万物相容れるECOの概念が符号するとも思われぬ。最もこれは、決して熱心とはいえぬ仏教徒である私が勝手にというか、自然に持つエコの解釈なのであるが。しかし、エコという言葉自体キリスト教を母体とする西洋から出ているのだから、私が造語した"ECOH!"という概念は人間様が心地良いように自然を調整するECOのあり方とは違うものかも知れぬ。まあ、結果的には似たようなところに帰着するのだが。思想や宗教なんてそんなものかも。

manuel

photo introduction

Villa Malasinboで実際に研究・啓蒙活動を行っているのはフィリピン人のManuel Murillo氏だった。氏はマニラのフィリピン大学で研究生活を送った後、現在は当地のファームマネージャーを務めていて、地場産業育成のために3つの事業推進に取り組んでいた。ひとつが「オイスターマッシュルームの栽培」、もうひとつが「ネスレコーヒーの栽培」、そして「エクストラヴァージンココナツオイルの製造」である。このなかでオイスターマッシュルーム栽培に興味を持った隣家の日本人退職者A氏が呼びかけてこの日のセミナーとなったのだった。参加者は日本人2、チャイニーズフィリピーノ1、フィリピーノ3だったが、日本人が引き金になっているのが寂しい。聞けばこれまで積極的に取り組もうとしたローカル人は無かったようだ。

こういう新しいことにチャレンジしてみないかという話になるといつもフィリピン人は尻込みして手を出さない。その理由を彼らに糺すと決まって「資金がないから」という返事が返ってくるのだが、断じてそんな問題ではない。金がなくてもできることにもトライしようとしない。いつも安易な方に流れようとする。この抜本的な姿勢が解決されない限り、この国はいつまでたっても世界の一流国の仲間入りができないのではないかと思う。良きリーダーがなによりも求められるのである。

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フィリピンの人たちは日常生活であまり茸を食べないが、マニラ圏の飲食店や増加する外国人の需要があることから国内の都市需要に期待が持たれている。オイスターマッシュルーム自体は茸として高級な味というよりはそこそこの味なのだが、フィリピンでは稀少品であることからかなりいい値がつくそうである。プエルトガレラのフィリピン人たちも決まりきったフィリピン料理しか作りたがらぬが、このオースターマッシュルームが大量に栽培できるようになれば、他にも「リゾートの人たちが行くリゾート」で紹介したTatusのようにプエルトガレラ周辺でしか獲れない貴重な食材もあるのだから、プエルトガレラの名物料理としてサバンやホワイトビーチで売り出すことも十分可能だ。

オイスターマッシュルームの基質(酵素の作用を受けて化学反応を起こす物質)は、おがくず、米ぬか、ブラウンシュガー、農業石灰から作る。外側を覆うビニールが唯一の公害物質である。分解性のたとえばバナナの葉などを使うことはできないか訊ねたが、密閉性が得られないので駄目だとのこと。では廃プラスチックバッグ(スーパー等の袋)を再利用できないかと聞いたら、熱に耐えられないので無理とのことであった。事業化に当たって、Murillo氏は基質を作る人、栽培する人という風に分業制を図りたいようであったが、それは肝心要である埋込む「菌」がバイオテクノロジーを駆使してMurillo氏にしか作れないためでもあった。

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ところで、日本に住むひとに見逃せないのが、もうひとつの事業化モデル「エクストラヴァージンココナツオイルの製造」である。肌に塗っても食べても"ANTI AGING"の決めてとして、フィリピンではマッサージャーはもちろん特に富裕層のご婦人方には知れ渡っているエクストラヴァージンココナツオイルだが、日本にはまだまだその効能が知られていない。2005年愛知万博のフィリピンパビリオンでも紹介された(詳しい説明があるのでぜひご覧ください)が、マーケティングの問題かまだまだ普及しているとはいえない。唯一の問題は20℃以下になると固まってしまうことだが、これもパッケージをチューブ式にするとかの方法で、高級品に仕立てることは可能だ。「売り方」が定まっていないだけなのだ。私の出番である。事実、先日いらした客人が興味を持っていて、フランス人オーナーが戻り次第仕入れ値を連絡することになっている。

現在の名称は「マラシンボ(プエルトガレラを代表する近くの山の名前)エクストラヴァージンココナツオイル」というものでパッケージも極めて素朴なものだ。エクストラヴァージンココナツオイルの名声が確立したフィリピン国内では、販路さえ確立すればこのローカル色豊かなブランディングは功を奏すはずだ。というのも、オイスターマッシュルームでもエクストラヴァージンココナツオイルでも、政府が推奨するやり方とはひと味違うやり方を工夫していると自慢するだけあって、確かに品質は良いからだ。ふつう同オイルは独特の臭みがあるのだが、ここのは全然気にならない。Murillo氏によると、純度が高いのだそうだ。同オイルはフィリピン中どこでも作れるのだが、生産者の都合から必ずしも品質至上で作られていない。マスプロダクトベースに乗る量産も可能なので、ぜひ販売会社を見つけてマーケに絡んでみたい。ネームやパッケージに絡んだ売り方が勝負になる。日本ではもはやファッション商品となるだろう。

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さて、Villa Malasinboは文字通り宿泊施設も運営している。遠方にプエルトガレラ湾を望む斜面にD'Aboville氏の別荘があり、隣接して1階と2階に別れた貸し別荘がある。とはいえ、欧州的発想で月貸しでそれぞれ1か月7,000ペソだそうだ。上の写真は上階。自然の素材をふんだんに使い、家族や仲間とバカンスを楽しむにこれ以上の環境はないであろう。事実、先日もフランスからの若いグループ客がバックパックを背負って泊まりに来ていた。研究棟のMurillo氏は宿泊施設のマネージャーも兼任していて、彼らをデモ農園にも案内したであろうし、これぞ「エコツアー」というところであろう。日本の学生諸君もこういうところに来ていただきたい。

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All the photos above: copyright © 2007 Tetsuya Endo. All rights reserved.

上の写真は下階の部屋。また、近くにはプールもある。部屋の写真の窓に女性が映り込んでしまっているが、何人かの女性が主が不在の間も常に別荘を手入れをしている。申し分ない環境だ。ビーチで楽しんだ後、緑に囲まれた山の環境で静寂の時を過ごすなんてなんて贅沢でしょう。ちょっとした貴族気分。フィリピンではこんなところどこにもないだろうし、世界でも稀なのでは? 私も、妻や子供がいればぜひ夏休みをいっしょに過ごしたいところです。ちなみに、Villa Malasinboでは写真の施設に加えて現在新たにゲストのための別荘を増設中。で、「ゲストハウスウェディング」や「ハウスウェディング」なんてのも人気な昨今、身内や親しい仲間だけを招いてワイワイガヤガヤしながらウェディングヴァケーションを過ごすのも粋かも知れません。
追記:上記記事を再編集して「Yahoo!セカンドライフ」に転載しました。
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【2007/09/02 19:19】 | ポストマテリアリズム(フィァッピー) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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