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アエタ族との出逢いから確かだったこと。(再録)
昨日2007年9月2日投稿した「地元でのエコビジネス推進の取り組み~Villa Malasinboより」に関連して、フィリピンの将来を考えるうえで大切な基礎知識になると思われたので、5月14日にYahoo!セカンドライフに掲載した記事を以下に転載しておきます。



パンパンガ州のサンフェルナンドでアエタ族等の学校の教師等を対象とした先住民族のセミナーに参加したのは去年の4月のことだった。たまたまeBayで知り合った華僑系フィリピーノが、セミナーのスポンサーであるEVAチャリティーファンデーションのメンバーだったことから、フィリピンをよく知りたいと思っていた私は自費で参加したのだった。フィリピンに何か役立つことをしながらビジネスをするため、そのころ私はフィリピンでもっとも古い民族のひとつアエタ族の人たちとともに美術館・博物館をつくり外貨獲得のための観光資源にできないかと考えていた。カナダでの経験から、最も古い住人をないがしろにして幸せなどありえない思いがあった。

パラワン島での経験からフィリピンは先住民に人権を与えておりカナダよりましだったが、浅い知識で彼らのアイデンティティであった焼畑農業を全面禁止としていた。それでもプエルトプリンセサで開かれた先住民族の祭典ではタグバヌア族のある首長から「この踊りは神聖なもので写真を撮ってはいけない」と制された。民族の威厳を保っていたのである。キリスト教の影響を受けながらもまだ自らの信仰を保っていた。フィリピンの最古民族のひとつであるバタクスは竹の床を踏みならす踊りを披露してくれたが、残念ながら彼らをビジネスに結びつけるにはパラワン島はあまりに不便な地であった。そこでマニラから近いところで次に目をつけたのがピナトゥボ火山の被災で国際的に有名になったアエタ族であった。(民族については嶋崎賢司氏のHP「世界民族博覧会」にて参照。)

アエタ族についてはオロンガポのShachiさんのHP「カントリーライフインフィリピン」で現状報告を読ませていただいていたが、 "Traditional Tribal Origin Ethnic Education Schools - The Next Step"と題されたセミナーに参加して私は驚きの連続だった。主催はREGION3 REGIONAL OFFICE, NATIONAL COMMISION ON INDIGENOUS PEOPLES, OFFICE OF THE PRESIDENT, Republic of the Philippines。REGION3とはパンパンガ州中心にセントラルルソン6州のことだ。参加者は土着民族を指導するタガログ族等低地民の教師たちかと思っていたが教師たちは土着民族そのものであった。女性が圧倒的に多い。アエタ族だけでなくイフガオ出身者もいて少数民族の混成だ。主催者側も少数民族出身者が多かった。

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冷房ががんがんに効いた大きな部屋で参加者は皆マニラから来ましたというような垢抜けた格好をして正面を向いて座っている。と、EVAチャリティーファンデーション関係者が拍手で迎えられ演台付近に席を取った。EVAチャリティーファンデーションはアエタ族支援に特化したNGOである。大統領直属の委員会のイベントが、実質的にはスポンサーであるEVAチャリティーファンデーションに仕切られそれ中心に動いていた。セミナーの主役は主催者やその裏方ではない筈だが、マカティのマスウェディングやプエルトガレラでのイラヤ族の日フェスティバルでも主催者のセレブリティが拍手を受けてステージの中央にどんと居座り、「人間様の名を売る」フィリピンカトリックの文化では当たり前らしい。街道で土下座した封建時代の参勤交代の大名行列をも思わせ、いまだに奇異に見えて仕方がない。

外部から招かれた錚々たる人々がレクチャーする。先住民の言語を教授しているのはSummer Institute of Linguistics (SIL)という米国のグローバルNGOで50年来フィリピンDepartment of Educationの委託組織。SILは70年前にキリスト教信仰を元に設立されたボランティアで、各キリスト教会とともに働いており資金も流れている筈だ。NATIONAL COMMISSION FOR CULTURE & THE ARTS(これも大統領直属)等フィリピン政府サイドからのレクチャーは、「いかにして融資を申請して獲得するか?」の具体的手練手管の伝授に終始した。異なるキリスト教会同士からの話もあったが、なにより驚いたのはセミナーの節目節目でキリストへの祈りを強要されていて、しかも土着信仰を持っている彼らが胸に手を当て苦もなくバイブルを唱和していたのだ。

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All the photos above: copyright © 2007 Tetsuya Endo. All rights reserved.

EVAチャリティーファンデーション代表の英国人女性に「土着文化は固有の信仰と表裏一体だ。彼らの尊厳と自立を助けるなら宗教と切り離して援助活動すべきではないか?」と話したら賛同していた。しかし英国人特有の政治的発言だろう。英国大使館からの来賓がJapan Foundationというのもあると話していたが、もしキリスト教会からの資金援助が得られなかったらこういう先住民の援助活動自体成り立たないだろう。これはフィリピンに限ったことではない。欧米諸国は昔からミショナリーとビジネスマンをワンセットにして他国のマーケットに入り込んできたといわれるが、この話はフィリピンでもよく耳にする。宣教師がやって来てしばらくするとビジネスマンがやって来る。最近は韓国人宣教師も増えていて、宣教師自身がすぐにビジネスをはじめる場合もあるようだ。

3 日間のセミナーの最終日には部族の踊り等を披露するカルチュラルプレゼンテーションがあって、そのための練習が会場外で行われていたが、驚くことに件の英国人女性を称えるにわか作りした歌や踊りが大半だった。部族たちはブランドバッグを手にし、腕には流行のデカ厚腕時計がはめられ、フィリピン人では珍しいことになぜか眼鏡をしている者が多かった。もはや少数民族であることが商売であるといって過言でないだろう。実際のパフォーマンスとなると、男性陣は伝統的な衣装である褌姿を異様に恥ずかしがった。いったい何のための支援なのか?

セミナーでは、ボランティア団体を主催しながらベンツを乗り回して村々を回るその英国人女性の姿が紹介されていた。彼女はまるで村々でのスターであった。 NATIONAL COMMISSIONS ON INDIGENOUS PEOPLESからREGEON3以外に受持ち地域を変更してくれと要請されたそうだが断り続けているという。アエタ族を愛しているのだろうか? だが部族の文化については何も知らず、あたかもペットに接するように接しているように私には見受けられた。ピナトゥボ火山の被災報道が資金集めに都合がよいからだと邪推もしたくなる。

キリスト教では施しは善とされボランティアは何をおいても尊ばれる。支配されること、もらうことに慣れたフィリピンの人々は、これを無条件に受け入れ「利用」してきた。その結果が「アイデンティティの喪失」と「他文化へ右へ倣え化」だ。わがミンドロ島のマンヤン族イラヤ部族においても同様である。だが、人々は神のペットではない。教育は最も大切なものに違いない。だが押しつけであってはならない。生徒から学ぼうという意志がない教師など何の役にも立たぬ。
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【2007/09/03 10:00】 | ポストマテリアリズム(フィァッピー) | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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